【実施図面】伝わる実施図面を描くコツNO.1

実施図面は、設計意図を施工者へ伝えるための重要な図面ですが、きちんと伝えるためには、それぞれの図面においてコツがあります。

何回かに分けてご紹介いたしますが、今回は、特に実施図面の「導入部分」に関して詳しくご紹介していきたいと思います。

1) まず「スケッチ」が重要なわけ

(1) イメージを膨らませる
CAD全盛期の今でも、やはり、イメージを膨らませるにはスケッチを描くことで、頭の中にあるイメージを具現化していくことが可能となります。

(2) 何枚も描くことで深化させる
スケッチを何枚も描いて頭の中にあるイメージをアウトプットする訓練を積み重ねていくと、描くことで気付いたり、ブラッシュアップしたりしますので、いつ、どんな紙にスケッチしても構わないのですが、どのスケッチも必ず保管していただければと思います。

(3) 常に考える
スケッチを描き、イメージを深化させるためには、常日頃からずっと考えておく必要があります。考えてスケッチをし、そして考えるという繰り返しにより、イメージはより具体的でより骨太な案になっていきます。行き詰まった時こそ、手を動かしてみてはいかがでしょうか。

2) 「仕様書・概要書」はすべての図面のベース

(1) 目次の役割
構造・設備など、図面で説明される情報の概要を説明し、ここから他の図面へリンクする役割を果たす重要な部分です。

(2) 「仕上」に描くこと
内部仕上は、分量が多いため別に描きますので、ここでは「外部仕上」のみ描きます。仕上の表記を、一般名称(素材名)[商品名/メーカー名]で統一すると伝わる図面になります。

(3) 「共通仕様」とは
構造材や断熱材など、複数の図面にまたがる情報をまとめて表記します。

(4) 「保証」を明記しておく
「瑕疵担保責任保険」加入、「設計・施工基準」への適合はもとより、保険取り扱い会社による地盤保証への加入も明記しておくと安心です。

3) 伝わるための「共通事項」の整理

(1) 日本工業規格(JIS)が基本
作図の書式は、日本工業規格(JIS)が基本です。JISが推奨している尺度は、1/2、1/5、1/10、1/20、1/50、1/100、1/200などです。推奨尺度を適用できない場合は、1/6、1/8、1/12など中間の尺度を選んでも構いません。線の太さは3種類で、4:2:1の太さを使い分けるように規定されており、0.3、0.18、0.9などで描くと、メリハリがあり、伝わりやすい図面となります。

(2) 表記の統一で伝わる図面へ
図面で表現する線は6種類くらいありますが、通り芯は一点鎖線、吹き抜け部分は破線、隣地境界線は二点鎖線と、特に大事な線は描きわける必要があります。寸法線は、中線の実線で描き、60度の角度で描くなど、表記を統一していくことで、さらに伝わりやすい図面となります。

以上、今回は実施図面の中でも「導入部分」にスポットを当てて、説明させていただきました。

基本をまず抑えていただくことで、伝えたいことがより伝わる図面になりますので、ぜひ実務に役立てていただければと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする