【実施設計】伝わる実施図面を描くコツNO.5

実施設計を行い、施工者の方に意図通りに施工していただくには、きちんと伝わる実施図面を描くことが大切です。今回は、意匠図の最終回になります。

「部分詳細図」、「標準/特記仕様書」、「仕上表」に関して、伝わる実施図面を描くためのコツを詳しくお伝えしていきます。

1) 部分詳細図

階段・建具・家具などの造作物は、専用の詳細図を描いて設計意図を伝える必要があります。

(1) 必要な図面を描きます
詳細図は、平面図・立面図・断面図の3面を基本として、各面が連続するように配置します。

(2) 縮尺を使い分けます
詳細図を描く時にはS=1:20を採用することが多いです。しかし、階段詳細図において、ノンスリップや段板受材の孔あけなど段板の細かい加工を伝えようとする時は、S=1:6などにスケールアップして詳細図を図示することで伝わりやすくなります。

(3) 平面図に平断面図を付け加えます
キッチン等の設備機器の配置やワークトップの加工を表現するための平面図と、下部の棚や引き出しなどの仕様を表現するための平断面図の両方を図示すると、平面図だけでは表現できなかった部分がずいぶん分かりやすくなります。

2) 標準/特記仕様書

工事全般や契約に関して、統一的な解釈や約束事をまとめたものが標準仕様書です。それに対し、特記仕様書は個別の事例やその工事特有の約束事を定めたものです。

(1) 標準仕様書を形骸化させないようにします
標準仕様書のひな型によく使用されるのは、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の「建築工事標準仕様書」です。最新版は国土交通省のホームページで公開されておりますので必要な部分をひな型としてみてください。ただし、標準仕様書は当たり前のように使われており、形骸化する恐れがあります。それを避けるためには、ポイントになる箇所を施工者に口頭で念押しすることが必要です。

(2) 特記仕様は各図面に落とし込みます
特記事項の多くは、仕様概要書で押さえています。具体的な技術の仕様は、各図面に特記事項として落とし込んでいきます。例えば、個別の製品や寸法の指定に関する記載などです。

3) 仕上表

内部仕上表では、床・壁・天井のほか、巾木と付属物などの仕上材を記しています。外部仕上は、設計仕様・概要書に記載しています。

(1) 下地材も原則として明記します
下地材を記載することで、接合材料や接合方法を検討することができます。

(2) 塗装工程を明記します
塗装工事は職人によって工程も仕上りもまちまちになりやすいので、サンダーがけと2回塗りなど細かく記載しておくと伝わりやすくなります。

今回で「伝わる実施設計を描くコツ」の意匠図部分が終了となりました。実施図面を描く際の「相手に伝わるコツ」をご参照いただき、施工者との意思疎通にぜひご活用下さい。

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