【実施図面】伝わる「構造図」を描くコツNO.1

前回までは、実施図面の「意匠図」に関し、必要なことを簡潔にまとめて設計意図を伝達しやすくするコツをお伝えしてきました。

今回からは、「構造図」に関し、施工者に的確に伝わる図面を描くコツをお伝えします。今回は、手刻みの場合の「伏図」、「軸組図」です。

1) 伏図

構造図として必要な伏図は、基礎を上から見た「基礎伏図」と、各階の床組と柱を表した「床伏図」、小屋組を表現した「小屋伏図」などで構成されます。

これらは、平面で構造材の配置を理解していただくための図面です。

(1) 基礎伏図1枚に基礎工事関連の内容をすべて盛り込みます
基礎工事業者がこの図面のみで施工することを踏まえて配筋と基礎コンクリート打設に必要な情報はもちろん、ベンチマークを決めるため、前面道路や配置寸法も盛り込む必要があります。

基礎立ち上がり部には、立ち上がり高さ・幅、アンカーボルトや人通口の位置と寸法を明記します。配管のスリーブは、大まかな位置を記入し、工程落ちが生じないように管理します。

また、基礎リストをつけて、GL、基礎天端、FLとの関係性を表示します。

(2) 床伏図は梁のかけ方をイメージして描きます
「1階床伏図」に必要な要素は、土台・大引・1階根太の方向と位置、アンカーボルト・1階の柱の位置といった1階床組の基本構成です。

そして、「2階床伏図」には胴差・床梁などの横架材の位置と、方向や火打材の位置を描きます。

構造材を加工するために参照されることが多く、各部材の寸法と加工内容も必要です。

(3) 小屋伏図は2つのレベルで描きます
軒桁や小屋梁、小屋束、垂木と多くの部材が異なる高さで組み合っているため、軒高レベルと小屋レベルで伏図を分けて描くと分かりやすいです。

また、記号・凡例を活用して図面そのものを見やすくする、化粧仕上げを明記する、吹き抜けの範囲を明記する、軒の出寸法を明記すると伝わりやすい図面になります。

2) 軸組図

建物の軸組を断面で表した図面です。3次元の軸組を正確に伝えるには、伏図、軸組図のどちらも必要です。構造材の継手・仕口の位置や勝ち負け、梁の断面、開口部の位置などを示します。

他にも、力の流れや構造計画の確認も同図面を作成する目的です。軸組図は、梁間方向・桁行方向ともに、断面寸法や耐力壁に無理がないかの確認を行うのに向いています。

(1) 施工者が参考になる描き込みとは
上記以外にも、化粧梁と天井位置の関係、横引き設備配管や換気ダクトとの兼ね合いも検討します。筋交いは方向を示し、施工者の参考にしていただきます。

以上、手刻みの場合の「構造図」の描き方のコツをご紹介致しましたが、ぜひ実務において参考にしていただき、施工者に伝わる実施図面をご作成いただければと思います。

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