【まちづくり】「国家戦略特区」による歴史的建造物の活用の極意

「既存不適格」という建築物が、何か劣っているかのような印象を持たれると思いますが、これはたまたま戦前に作ったものが、現代建築の基準に照らし合わせた場合に不適格であるということです。

これがもし、歴史的建造物やローカルな範囲において基準を設けていたならば適格であるはずだというのが元々の発想です。

まちづくりの上でも、全国一律の基準のもとで同じようなまちが各地にできてしまうため、地域ごとにきちんとした基準を設けて運用し、特色のあるまちづくりにつなげることが大切です。

ここでは、「国家戦略特区」における歴史的建造物の活用に関してご説明いたします。

1) 建築基準法の取り扱い

「国家戦略特区」における建築基準法の取り扱いについてですが、平成25年10月に出た政府方針は、自治体に新たに設ける専門委員会において審査をしたら、適用除外を認める仕組みを作ろうというものです。

(1)現行制度との違い

国宝や重要文化財の指定がされると建築基準法の適用除外になります。その代わり、文化財別の審査を経て建築が許可されるというルートになります。

それ以外に、市の指定文化財やその他条例を活用するルートもあります。すでに現行制度の中でこういったルートがあり、それをすこしアレンジしようというのが今回の話です。

具体的には、景観条例や歴史的建造物活用条例等のその他条例に基づく専門委員会を設けて審査し、建築物の安全性を担保し、建築基準法の適用を一部除外します。

しかし国土交通省では、特区指定の有無にかかわらず、仕組みを整備すれば全国で適用可能という見解を出しています。

(2)旅館業法の取り扱い

一方、旅館業法では、規制緩和の適用は「特区内」でという縛りがありますので注意が必要です。具体的な規制緩和の例は、ビデオカメラや24時間対応の連絡窓口を設置すれば、フロント・玄関帳場の設置義務を外すというのがあります。

その適用には、まず、建築基準法の場合と同様に、景観条例等のその他条例による物件の指定が必要です。

しかし一方では、2018年6月15日に施行された「民泊新法」によって、簡単な手続きで合法な「民泊」が可能になりました。

これまでの日本の一般的な考え方は、貴重な歴史的建造物があったら、まず文化財指定等で保存する手立てを施し、それから活用の仕方を考えるというものでした。

しかし、人口が減少し、空き家が増えていく時代には活用することで保存するという、保存と活用をセットで考えるという頭の切り替えが必要となります。

実務等において参考になる部分がございましたら、ぜひご活用ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする