【木構造】木材の基礎知識No.4

木構造を理解し、設計するためには、その材料である「木材」のことをよく知る必要が有ります。ここでは、過去の被害例から設計上留意する点を学び、部材設計を行う前に押さえておくべき点をご紹介します。

前回は「木材のクリープ変形量」と「構造的に問題となる欠点」に関してご紹介しましたが、今回は「木材の強度と許容応力度」に関してご紹介いたします。

1)「木材の強度と許容応力度」とは?

個々の部材に荷重が作用すると、「曲げ」「圧縮」「引張り」「せん断」「めり込み」などの応力と変形(たわみ)が生じますが、部材の設計は強度と変形に対してそれぞれ材料ごとに決められた許容値以下になるように検討しなければなりません。

木材は、生物材料なので、繊維の方向によって強度及び収縮の性質が異なる異方性がありますし、含水率が変形に大きな影響を及ぼします。そのほかにも、節や目切れなどの欠点が存在し、破壊性状に影響することがありますので注意が必要です。

(1)「圧縮」とは?

「圧縮」とは部材を押す力のことで、木造では主に柱に作用します。常時荷重及び水平荷重時に耐力壁の両端部柱に生じる軸力などが該当します。

横架材では、水平荷重時に耐力壁構面及び水平構面の外周部で圧縮力が生じます。そのほかにも、洋小屋の合唱や方杖にも圧縮力が生じます。

具体的には、座屈長さを部材断面幅から求められる断面二次半径で除した値「細長比(λ)」に応じて許容応力度を低減して設計を行います。

(2)「引張」とは?

「引張」とは、圧縮力と逆方向に作用する力のことです。木造では、部材そのものの引張抵抗よりも、むしろ接合部が抜け出さないようにすることが大切です。

(3)「曲げ」とは?

「曲げ」は、主に横架材に生じます。外周部においては、風圧力により柱や横架材の側面に「曲げ」が作用します。常時荷重のかかる場所で、「曲げ」に対しては、強度のほかに変形に注意する必要が有ります。

(4)「せん断」とは?

「せん断」とは、はさみで紙を切るような力のことです。せん断力が最大となる梁端部の下端に切り欠きがあると割裂きが生じやすくなるため、切り欠き量は梁せいの1/3以下とする必要が有ります。

(5)「めり込み」とは?

「めり込み」とは、繊維と直角方向に作用する圧縮力のことです。強度は低いけど、粘り強い木材特有の性状です。各接合部にめり込み性状を活用することで粘り強い構造体となります。

「木材の強度と許容応力度」に関して詳しくご紹介させていただきました。実務等において参考になる部分がございましたらぜひご活用ください。

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